プロローグ:時は金なり、されど150円なり
昨日、遠方に住む娘への荷物を送るという重大なミッションが発生しました。しかし、私には武器がありました。それは無限の時間です。
「持ち込み割引150円…?」
電卓を叩く音が響きます。150円は150円です。最終的に出た結論は――
「行くしかない」
第一章:消えた営業所の謎
かつて我が家の近くにあったヤマト営業所。気がつくと、まるで忍者のように姿を消していました。
「あれ?ここにヤマトあったよね?」
「統廃合って言葉、最近よく聞くなあ…」
新しい営業所の場所を調べると、なんと埋立地。地図を見る限り、文明の果てのような場所です。自転車で20分の旅路が始まります。
第二章:自転車戦士、出陣
最近になって久しぶりに自転車に乗るようになった私。まだ慣れない部分もあるものの、少しずつ昔の感覚が戻ってきています。
準備万端で出発…と思いきや、天気予報を見ると風速表示が気になる数字を示しています。
「まあ、晴れてるし大丈夫でしょ」
この時の私は、まだ風の恐ろしさを知りませんでした。

第三章:向かい風という名の宿敵
出発して5分。
「あれ?ペダルが重い?」
最初は「運動不足かな」と思ったのですが、そうではありませんでした。風が、明らかに私の進行を阻んでいます。
向かい風とは、実に悪質な敵です。
- 見た目は普通の風
- しかし実際は 軽いのぼり坂レベル の負荷
- 終わりが見えない(目的地まで続く可能性)
- 帽子を飛ばしてくる(昨日は学習済みで未着用)
「よいしょ、よいしょ」という擬音語が自然と口から出ます。60代男性が一人で「よいしょよいしょ」言いながら自転車を漕ぐ姿を想像してください。シュールです。

第四章:本物の坂道との合体技
そして恐れていた事態が発生しました。
向かい風+のぼり坂
これはもう、自転車界の コンボ攻撃 です。RPGで言えば連続魔法みたいなものです。
「なんて不幸なんだ…」
心の中で呟きながら、必死にペダルを漕ぎます。この時ばかりは、電動自転車の広告が頭をよぎりました。
第五章:文明の利器との邂逅
苦行の末、ついに営業所に到着。汗だくです。
しかし、ここで現代技術の素晴らしさを実感することになります。
昔の記憶:手書きの送り状、現金決済、長い待ち時間
現在の現実:スマホで事前入力→QRコード生成→端末にかざす→完了
「便利な世の中になったもんです」
唯一の難関は、QRコードを端末にかざすという作業。これが意外と難しいです。角度、距離、光の加減…まるで古代の儀式のようです。

第六章:復路は天国
用事を済ませ、いざ帰路へ。
そして気づきます。
「あれ?すごい楽じゃん」
追い風です。さっきまでの苦労が嘘のように、スイスイ進みます。重いギアでも楽々。まるで別の乗り物に乗っているかのようです。
「自転車最高~♪」
手のひら返しとはこのことです。

エピローグ:人生論に昇華
家に着いて、ふと思います。
人生、苦あり楽あり
向かい風があるから追い風の気持ちよさがわかります。のぼり坂があるから下り坂の爽快感があります。ヤマト運輸の150円割引があるから、20分の自転車旅行が正当化されます。
そんな深い気づきを得た一日でした。
追記:娘からの「荷物届いた、ありがとう」のメッセージを見て、150円の節約以上の価値を感じた父親でした。
<今日の教訓>
- 向かい風は軽いのぼり坂と同等の負荷
- QRコードの読み取りは現代の試練
- 久しぶりの自転車でも体は覚えている(筋肉痛は別問題)
- 150円のために20分漕ぐのも、時に人生
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回は電動自転車の記事になっているかもしれません。